harutamaの日記

失業中の理系研究者のブログ

【新型コロナ】何も対策しない場合の死者数がなんと!?

前回の反省から、ちゃんと修正しようと思っていろいろ調べておりましたが
思いの外はまってしまい、このままでは飽きてしまって風化させる恐れがあるので
これまで分かったところだけでも書こうと思います。


「何もしなければ41万人死亡」というのは4月に北大の西浦氏が発表された内容で、ショッキングだったので噂になりましたが、少し前の事なのでもしかするとご本人も何かアップデートされているかも知れません。

 

私は疫学については専門家ではないので、、とお断りした上で、
WHOの3/4付けのCOVID-19とインフルエンザの比較記事のデータを元に、
基本的な疫学モデルであるSIRモデル(1930年頃に発表されその後も脈々とマイナーチェンジされている)に入れて、エクセルで計算しました。
SIRモデルは、S(感染していない)、I(感染者)、R(回復、もしくは死亡)という群を想定しています。
絵にするとこんな感じです。一度感染して回復した人は、免疫がついて再度感染しないという事がミソになっています。

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再生産数R0のバトン

ここで、WHOの基本再生産数R0は、感染する強さを表し、発症間隔(SI)は、感染を次に引き継ぐ時間を表します。

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WHO COVID-19 vs インフルエンザ

そして、パラメータを入れてSIRモデルでS、I、Rをプロットするとこんな感じ。

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COVID-19 SIRモデル

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SIRモデル

ここで、Rというのは一度感染した人の累積になり、最終的に94%が感染する結果になっています。
一昨日の厚生労働省のデータから、感染者に対する死亡率は約5.7%と計算できる(この値がそこそこ変動する点に注意が必要)ので、

 

人口1億2千万の94%の5.7%といえば、死者数670万人という事になる、、えっっ何か間違ってない?これ!??

 

まぁそんなとこで。。^^;

ピークもCOVID-19はインフルエンザの2.5倍なので医療崩壊必至な様子です。

ところで、実際のインフルエンザの感染がこの結果と同じかというとそうではありません。インフルエンザでは、ワクチンが投与されているからです。しかし、ワクチンは、インフルエンザを流行させないように投与されているはずなのにも関わらず毎年1000万人も感染しているっておかしくないですか?
そう、単純なSIRモデルでは、インフルエンザの感染者数は計算できません。ここまでのSIRモデルは平均値で話をしていますが、値にはばらつきがあるので、幅を持っている。だから、なんちゃら分布にフィッティングという話が始まるんでしょう。

、、にしても、1000万人って多くない?
そう、この1000万人が、しかも、毎年推定1000万人とか言っており、生データが拾えなかった、、orz

↑それではまっていたんですね。(TT)


ほとんどの人が保険診療なのだから生データがありそうなものだけれど、保険データは見つからず、都道府県別データは、定点観測とかいう昭和初期から続いているようなデータで、、
インフルエンザのデータは都道府県別だけど、インフルエンザの種類別データは都道府県別ではないとか(そもそも、SIRモデルは単一の病原体でなければ想定がおかしいでしょう)、、国立感染症研究所はデータの提供方法がスマートでありがたかったのですが、、内容が結果的に使えなくて残念だった。それとも私の探し方が悪かったのか。

 

もしかして、これもあれかしら?
日教組文部科学省が仲が悪いように、厚生労働省と保険機構も仲が悪いのかしら?
と、余計なことを考える今日この頃。
新型コロナ対策を考えるにあたって、インフルエンザの都道府県別生データがあれば参考になるかと思います。定点観測データは、専門家の方には有用なデータなのかと思いますが、独特な値なので、おそらく海外で通用しないのではないかと思いました。

 

最後に、謝辞
多くのCOVID-19関連の論文や周辺論文が広く無料でアクセスできる状態で提供されており、本当に、人類一丸となってコロナと戦おうとしているのだと、感動しました。
関係者の皆様方、本当にありがとうございます。

 

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