harutamaの日記

失業中の理系研究者のブログ

【新型コロナ】コロナ自殺?

 とんかつ店店主が油を被ってコロナ自殺というショッキングな報道があった。

少し調べると、The Library webの記事から、2代目当主の54才男性、遺書は無いという事が分かる。遺書が無いなら自殺とは断定できない。ショッキングに伝えたいという意図の報道だろうか。

 加えてこの記事には、コロナの影響で失業率が1%増えれば2300人自殺すると書いてあった。この情報の根拠は2019年1月に書かれたNEWSWEEKの記事と同じようだ。それによれば、自殺率Y=1.949X+14.345(Xは失業率)だそうだ。早速、エクセルで確認してみよう。

 

 統計情報を検索したところ、1990年から2018年の自殺率の情報があったので、この期間でグラフ化した。青線が自殺率、茶線が失業率である。そして破線が先の計算によるYである。

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自殺率と失業率

 これを見ると、ザックリとは似て見えるものの、合っているといえるか疑問だ。元のサイトのグラフも出所は同じはずだが、期間が異なるのと、スムージングが少々気になる。スムージングをしすぎるとグラフがオーバーシュートして正確さが欠ける。元の情報は1950年から2017年くらいまでなので、戦後の失業保障が十分にされない時代の影響が大きいのではないだろうか。

 

 このデータから面白いことに気づいたのは、リーマンショックの2009年、2010年に失業率が5.1に跳ね上がったが、自殺率は上がっていない事だ。むしろ、2009年から2010年は自殺率が下がっている。

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リーマンショック

 覚えておいでだろうか。あのひどいリーマンショックで、多くの雇い止めがあった。私もひどい退職勧奨を受けて辞めさせられたけれど、他殺も自殺も思いとどまったよ(笑)

 今の日本の保障制度の中では、失業したからといって自殺には結びつかないのではないだろうか。

 

結論

 リーマンショックで自殺率が上がっていない事が分かった。

 だから、多分コロナ自殺はそんなに起こらないだろう。

 失業中の私が言うのだから間違いないw

 

 

キーワード

統計 excel COVID-19 コロナウイルス